-中国語あれこれ
--鄭老師の漫談--
(68) 中国語会話 中級プレミアム・レッスン
【中国流の説得法】
男人饭量大,饿得快/君子之交淡如水,以茶代酒
…… 男はよく食べるが、腹が空くのも早い/君子の交わりは淡きこと水の如し……
★常識・理屈を用いる説得スタイル(その2)  
∞ (再続) 経験則・生活の知恵タイプ ∞


下記の各フレーズのキーワードを拾い上げると、「女の直感」、「男の大食い」、「財貨の安全管理」、「猜疑心の原因」、「現実直視」、「説教の心理学」、「結婚の条件」などと多種多様。ここでも、経験則や暮らしの知恵がモノを言っています。
TRICK or TREAT!
1.这就是女人的直觉。 
2.男人饭量大,饿得快。
3.你还是放在自己身边最保险。
4.他吃过大亏,疑心很重。 。
5.事实摆在我的面前,我能不变吗?
6.我不是在教训你,只是想让你明白。
7.他性格孤僻,任何人都说不动他。你要想去说服他,
没门儿!
8.你不能嫁给一个随时都有可能永远离开你的人。


★語注 :
吃亏 chī-kuī;【動詞】損をする/ひどい目に遭う ●孤僻 gū-pì;【形容詞】偏屈で人と馴染まない ●没门儿 méi-ménr;【動詞】方法がない/無駄である

★解説 :

▲例文1 “
这就是女人的直觉。”は「これこそ女の直感というものです」。「女性の第六感はよく当たる」、「女性の勘は男性より鋭い」との経験則を認める人は多いようです。わが身を守るために、相手のウソを見破ったり、危険を察知したりする能力が男性より高いという説もあります。

▲例文2 “
男人饭量大,饿得快。”は「男はよく食べるが、腹が空くのも早い」。一般的に言って、女性より身長・体重で勝る男性は基礎代謝がそれだけ活発だし、女性よりも力仕事をするので、お腹も空きやすいといえそうです。男とは読んで字の如く「田んぼで力仕事」する人。なので、まだ農村人口8億を抱える中国では通用するこのフレーズも、日本では事情が異なります。ある資料によると、「全国大食い選手権チャンピオン大会(日本の民間テレビ局系列番組)」で女性出場者が度々優勝をさらってきました。こうして、日本では「男の大食い」という言い方に疑問符が付き、この用語もすっかり鳴りを潜めた感があります。
慌テズ 急イデ!
▲例文3 “
你还是放在自己身边最保险。”は「(貴重品)はやはり自分の手の届くところに置いておくのが一番安全です」。これはむろん日本においても当てはまります。着の身着のままで(“除了身上的衣服一无所有”)避難を余儀なくされる地震・火災・台風・竜巻等の被災を想定すれば、納得できる話です。とりわけ大規模激甚災害において、避難民の最大の悩みのタネは何か?それは被災地の自宅に置き去りにした現金・預金通帳などだと言われます。実際の事例として、避難所から遠く離れた自宅・店舗などが空き巣狙いに荒らされ、現金や貴重品類・商品などを盗まれる事件が頻発しています。“这些幸灾乐祸、乘人之危、趁火打劫的犯罪团伙居心恶毒,手段卑鄙,罪该万死!”。なので、普段の心掛けとして、「非常持ち出し」を整理しておき、いざという時にわが身とともに危地脱出を図ることが重要です。

▲例文4 “
他吃过大亏,疑心很重。”は「彼は大損に遭っているので、ひどく疑い深い」。彼が疑い深くなったのは、ひどい目に遭った体験が原因だと、分析する言い方。人は誰でも、いつどこでひどい目に遭うかもしれないので、この言い方はそれなりの説得力があります。

▲例文5“
事实摆在我的面前,我能不变吗?”は「事実を目の前に突き付けられて、自分は考えを変えずにおられましょうか?」。厳然たる事実を目の当たりにしたとき、自分は非を認め、間違った考えを捨てざるを得ないではないか、という論法。自分は変節者でも裏切り者でもないとアピールしています。

▲例文6 “
我不是在教训你,只是想让你明白。”は「私はなにもあなたを説教しようなんて思っていません、ただあなたに分かってもらいたい、それだけなのです」。人から説教されるのは誰でも嫌がるもの。相手の自尊心を傷つけることを避けた説得の仕方は理に適っています。説得すべき相手が中国人ならば、顔を立てる点に留意するのは賢明なやり方と言えましょう。

▲例文7“
他性格孤僻,任何人都说不动他。你要想去说服他,没门儿!”は「彼は偏屈な男で、誰が忠告しても頑として聞き入れません。あなたが説得しに行っても無駄ですよ」。

▲例文8 “
你不能嫁给一个随时都有可能永远离开你的人。”は「いつ永遠に別れてしまうかもしれないような人と結婚してはなりません」。例えば、死と隣り合わせの危険な職業に就いている人に嫁ごうとしている娘に対して、猛反対する両親が結婚を思い止まるよう説得するときの言い方。

【経験則・生活の知恵】に関することわざ・格言・成語など 
▲ “
早睡早起身体好 “---早寝早起きすれば、いつも元気
イタダキマース☆
▲ “
早吃好、午吃饱、晚吃少 “---朝食はしっかり、昼食は充分に、夕飯はやや控えめに摂る。朝食は各種の栄養食をバランスよく多種少量に摂る→【例えば、粥・マントー・ハム・タマゴ・牛乳・ヨーグルト・生鮮野菜・果物など】。昼食は豪華にたっぷり摂る→【魚料理・肉料理・米飯・スープ・野菜の炒め物など】。夕食は消化しやすいものをやや少なめに摂る。但し、夜型の人は、盛りだくさんの夕食が必要だとの説もあります。

▲ “
春捂秋冻,老了没病 “---「春先には冬着のままで保温に気を付け、また秋が深まっても薄着のまま冷気にさらす。そういう生活習慣の人は健康で、老後も病気知らず」。春先は朝晩の気温差が大きく、また「寒の戻り」もあるので、薄着すると風邪などに罹り易い。晩秋はそれほど寒くないので薄着で暮らしても、病気に罹りにくく、むしろ体の抵抗力を強化できます。大気の温度変化や季節の変わり目を睨みながら、着衣の多寡を適切に処理することは大事な健康法だというわけ。*“捂 wǔ ;【動詞】しっかりと覆う”

ドノ足カラ 老化?▲ “
饭后百步走,能活九十九 “---食後の散歩は長生きのもと

▲ “
人老腿先老 “---人の老化は足から始まる

▲ “
君子之交淡如水,以茶代酒 “---「ことわざで『君子の交わりは淡きこと水の如し』と言いますから、乾杯は酒の代わりにお茶でいたしましょう」。これは飲酒が苦手な人の知的でスマートな逆提案でしたね。【第31話参照

次話では、「利益誘導スタイルの説得フレーズ」を取り上げます。
(次回第69話に続く)