-中国語あれこれ
--鄭老師の漫談--
(67) 中国語会話 中級プレミアム・レッスン
【中国流の説得法】
亏本的生意谁还做?/胳膊扭不过大腿,你就别跟他争了
…… 損する商売、誰がする? / 長い物には巻かれろ……
★常識・理屈を用いる説得スタイル(その2)  
∞ (続) 経験則・生活の知恵タイプ ∞


次のグループも、キーワードにすると、借財の鉄則、商売の損得、勤労、医師のモラル、健康第一、漢方の効用、お金の効用などとなり、多くのフレーズは社会生活の常識を説得の根拠としています。

1.欠债还债这是天经地义。
2.亏本的生意谁还做?
3.你不去上班,你拿什么养活自己?
4.哪有医生怕病人,随时来找马大夫吧。
5.现在你身体好了比什么都强。
6.心气儿顺了,病自然就好了,比吃什么药都强。
7.胃病是需要调养的,我建议你去看中医。
8.手里有钱,一旦有点儿事儿能应付。
9.钱是少了点儿,但也可以救救急嘛! 


★語注;
亏本 kuī-běn;【動詞】元手をすり減らす/元本割れ ●养活 yǎng-huo;【動詞】扶養する ●心气儿 xīn-qìr;【名詞】気分/機嫌 ●调养 tiáo-yǎng;【動詞】養生する

★解説 :
▲例文1“
欠债还债这是天经地义。”は「借金したら返済するのは、人としてごく当たり前のことだ。“天经地义”=天地の大義・ 万世不変の道理

▲例文2“
亏本的生意谁还做?”は「損する商売、誰がする」。裏返すと、金銭の損得に鈍感な人は商売人にはなれない。第33話反語文の項参照

▲例文3“
你不去上班,你拿什么养活自己?“は「働かずに、どうやって食べてゆくつもりなの?」。一般常識の“不劳者不得食”=「働かざる者、食うべからず」がベースになっています。
サア、 ドウシマシタ?
▲例文4“
哪有医生怕病人,随时来找马大夫吧。“は「患者を恐がる医者などいやしません、いつでも馬医師を訪ねにいらっしゃい」。患者の病を治し、命を救うのが医者の務めという常識が話のベースになっています。いろいろと気兼ねする患者を安心させる言い方。

▲例文5“
现在你身体好了比什么都强。”は「いまこうしてあなたが健康を取り戻したことは何よりです」。

▲例文6“
心气儿顺了,病自然就好了,比吃什么药都强。”は「のびのびとした気分になれば、病もおのずと治るもので、それはどんな薬にも勝る」。病気に対して楽観的な態度を取ることは大事です。その逆が「病は気から」。漢方医学では、「気」とは「血とともに体内の経路を循行する生命力の根源」とされています。

▲例文7“
胃病是需要调养的,我建议你去看中医。”は「胃病を治すには養生する必要があります、漢方医に掛かることをお勧めします」。養生の方法として、禁酒禁煙、揚げ物・塩漬け食品・刺激性食品の摂取抑制、食事の定時定量順守と咀嚼励行などがよく言われる。

▲例文8“
手里有钱,一旦有点儿事儿能应付。”は「懐にお金があれば、いざ不測の事態が起きても対応できますからね」。

▲例文9“
钱是少了点儿,但也可以救救急嘛!”は「金額は確かに少しばかり足りないけれど、それでも急場しのぎには役立ちますからね」。誰でも臨時支出、不時の出費に困った経験はあるもので、このフレーズに納得するはずです。

次のグループも経験則や暮らしの知恵を生かした教誡ないし説得に関するフレーズです。キーワードとしては、強敵対処法・ヤケ酒の限界・大学受験の重要性・専門家の役目・出世の条件などとなっています。   
ボクニ マカレテ♪
1.胳膊扭不过大腿,你就别跟他争了。
2.你喝再多的酒也会有醒来的那一天。
3.考大学是人生道路上的重要的一站。
4.你是这方面的专家,应该把好关。
5.我一没背景,二没能力,你就别指望我了。


★語注 :
扭不过 niǔ bu guò;【動詞句】ねじ曲げることができない/力負けする ●把关 bǎ-guān;【動詞】(ミス防止のために)厳しくチェックする ●指望 zhǐ-wang;【動詞】ひたすら当てにする

★解説 :
▲例文1
“胳膊扭不过大腿,你就别跟他争了。“は「長いものには巻かれろというではありませんか、彼と言い争うのはよしなさい」。「腕(=胳膊)の力では太もも(=大腿)はねじ曲げられない」のは、自分の腕と太ももで実験してみれば明らかです。

ノムナラタノシクネ!
▲例文2“
你喝再多的酒也会有醒来的那一天。”は「どれほど酒を飲んでも、いずれ酔いが醒める時がやってくるはずです」。悲しみや苦しみを酒で紛らかすのは、一時しのぎに過ぎない。飲み疲れて酔いから醒めれば、相変わらず悲しみや苦しみが目の前に横たわっている。現実から逃避しても問題は解決しない。だから酒で紛らかすのはおやめなさい、とやんわり説得する言い方。

▲例文3“
考大学是人生道路上的重要的一站。”は「大学受験は人生行路の重要なステップだ」。

▲例文4“
你是这方面的专家,应该把好关。”は「あなたはこの分野の専門家ですから、当然ながら要所、要所を厳しくチェックしなければなりません」。

▲例文5“
我一没背景,二没能力,你就别指望我了。“は「私には後ろ盾もなければ、能力もありません、そんな私を当てにするのはよしてください」。

【経験則・生活の知恵】に関することわざ・格言・成語など 
▲“
千金难买老来瘦“---「千金を積んでも買えない老後の痩身」。不老不死の仙人の生き方を理想とするのが中国伝統の道教。“老来瘦”は神仙思想を擁する中国らしい「期待される老人像」です。この体形の老人はたぶん体脂肪率も一桁台の元気溌剌な高齢者でしょう。こうした元気老人は“硬朗”、“矍铄”、“返老还童”、“鹤发童颜=白髪童顔”などと形容されます。一般的に言って、太り過ぎだと長生きできないだろう、と考える中国人は多い。

しかし、現実社会をみると、食生活の飛躍的改善と美食志向の影響によって、眼下の中国は全国的に肥満症、糖尿病、心臓病など成人病患者が急増しています。介護不要の健康長寿を願うのであれば、やはりややスリムな老人のほうが好ましいとは思いますが…。
但し、痩せ過ぎる“
骨瘦如柴(いわば「骨皮筋衛門」)”タイプも長寿にとって不利です。なぜならば、栄養不良などによる痩せ過ぎは、抵抗力の低下を招き、病気に罹りやすく、重症化しやすいからです。
★語注 :
A・HA・HA!
硬朗 yìng-lang;【形容詞】(老人が)壮健である ●矍铄 jué-shuò;【形容詞】かくしゃくとしている ●返老还童 fǎn-lǎo huán-tóng;【成語】老人が若返る ●鹤发童颜 hè-fà tóng-yán;【成語】(老人が)気色がよく元気なさま

次話では、人間の心理に絡む説得フレーズを取り上げます。
(次回第68話に続く)