-中国語あれこれ
--鄭老師の漫談--
(64) 中国語会話 中級プレミアム・レッスン
【依頼の表現Ⅲ】
请帮我参谋参谋/你站在我的立场上想想吧
私の相談相手になってください/私の身になって考えてくださいよ
★精神的援助の依頼・要望および関連語句
前話で取り上げた事務的な依頼や、日常雑事に関する依頼の例文について、その特徴を分析すると、モノ、カネ、労務サービスが主役になっていることが多い——荷物の運搬・タオルの配送・食事のルームサービス・タクシーの手配・買物の代行・カネの貸し借りなどがそれに相当する。こうした事務的な依頼に対して、他方には、例えば
“请多指教”のように、精神的・知的援助を求める表現があります。

そうしたメンタルな依頼フレーズの述語をみると、
“指教”のほかに、“关照”“出主意”“暗示”“参谋”“透露”“明示”“留情”など知的・精神的活動を表わす動詞がよく使われる。では、中国人との知的交流・心の交流を促進するきっかけになるようなフレーズを取り上げてみます。
GW・BBQ♪
1. 请多指教。 
2. 你有什么好建议吗?
3. 你帮我出出主意吧。
4. 请帮我参谋参谋。
5. 给我点儿暗示吧。
6. 请给我透露一些消息,好吗?
7. 请你说明白点儿。
8. 请实话实说。
9. 我能考虑一下吗?

10. 请给我考虑的时间。
11. 你帮我回忆一下。
12. 你能给我保密吗?
13. 我知错了,我们能不能不提这件事了。
14. 你站在我的立场上想想吧。
15. 还请您这位老前辈手下留情。
16. 能不能给我一次补偿的机会?


★語注;
主意 zhǔ-yì;【名詞】アイディア/智恵/対策 ●参谋 cān-móu;【動詞】助言する/いい智恵を貸す/相談相手になる ●透露 tòu-lù;【動詞】漏洩する/ほのめかす ●留情 liú-qíng;【離合動詞】情けをかける/容赦する/(相手の顔を立てて)大目に見る ●宽限 kuān-xiàn;【離合動詞】期限を延ばす/(事情を酌んで)期限を緩める ●手下 shǒu-xià;【名詞】手を下すとき/実行の際 ●补偿 bǔ-chǎng;【動詞】償いをする/補償する

★解説
▲例文1“
请多指教。”は「よろしくご指導ください」。類似表現→“请多指点。(よろしくご教示ください)”/“你给我指出一条明路吧。(行き詰まった私に希望の道をご教示ください)”/“请先生明示。(どうか、はっきりと〔訳/理由〕をお教えください)”→“明示míng-shì;(事由を明白に説明する【文章語】)”

▲例文2“
你有什么好建议吗?”は「何かいい提案はありますか?」。▲例文3“你帮我出出主意吧。”は「何かいいアイディアを出してください」。

▲例文4“
请帮我参谋参谋。”は「いい智恵を貸してください/わたしの相談相手になってください/アドバイスをお願いします」。日本語の「参謀sanbou」は軍事・闘争関連の非日常用語であるが、中国語の“参谋cān-móu”は名詞のほかに、動詞としてよく用いられる日常語です。軽いのりで「ちょっとお知恵拝借」という感じです。

▲例文5
“给我点儿暗示吧。”は「少し手掛かりになるヒントをください」。▲例文6“请给我透露一些消息,好吗?”は「情報を少し私に示唆してくれませんか?」。

▲例文7“
请你说明白点儿。”は「もっとはっきりと話してください」。あいまいな話をする相手に注文を付ける言い方。▲例文8“请实话实说。”は「本当のことをありのままに話してください」。▲例文9“我能考虑一下吗?”は「少し考えさせてほしいのですが、よろしいですか」。

▲例文10“
请给我考虑的时间。”は「考える時間をください」。類似表現→请您再给我宽限几天(あと数日、期限を延ばしてくださるようお願いします)/ 请你给我点儿时(私に少し時間をください)

▲例文11“
你帮我回忆一下那件事儿。”は「あの出来事をちょっと思い返してほしい」。一緒に現場にいた人に出来事の経過を思い出してもらい、自分の不確かな記憶を補ってもらう頼み方。
ヒ・ミ・ツ♡
▲例文12“
你能给我保密吗?”は「秘密を守ってもらえますか?」。

▲例文13“
我知错了,我们能不能不提这件事了?”は「自分は間違っていたと反省していますので、もうこの件は持ち出さないようにしてもらえませんか?」。不名誉な自分のミスに言及するのはもう止めてほしいという要望または哀願。

▲例文14“
你站在我的立场上想想吧。”は「私の立場に立って考えてみなさいよ/私の身にもなって考えてくださいよ」。

▲例文15“
还请您这位老前辈手下留情。”は「つきましては、大先輩には何卒お手柔らかにお願いします」。

▲例文16“
能不能给我一次补偿的机会?”は「償いのチャンスを一回、私に与えてくれませんか」。

★第三者が絡む依頼フレーズ
仲間や友人に替わって相手に配慮や許しを求めたり、自分に対する相手の誤解を解くために第三者に側面協力を依頼したりすることがあります。それに関連したフレーズをいくつか挙げてみましょう。
五月病カモ…
1. 请您多关照田中先生。
2. 你也帮我劝劝他。
3. 麻烦你好好给她解释一下。

4. 他对我有看法,你就替我美言几句吧。
5. 请原谅他,他也是好心的。


★語注;
劝quàn;【動詞】言い聞かせる/忠告する ●解释jiě-shì;【動詞】言い訳する/わけを話す/誤解を解く/説明する ●有看法 yǒu kàn-fǎ;偏見を持つ/こころよく思わない 
美言měi-yán;【動詞】うまく取り持つ/他人のためにいいように言う
劝=勧 释=釈

★解説;
▲例文1“
请您多关照田中先生。”は「田中さんを何分よろしくお願い致します」。▲例文2“你也帮我劝劝他。”は「私の力になって、君からも彼によく言い聞かせてほしい」。▲例文3“麻烦你好好给她解释一下。”は「ご面倒ですが、誤解している彼女によく説明してあげてください」。

▲例文4“
他对我有看法,你就替我美言几句吧。”は「彼は私のことをこころよく思っていません、あなたが間に入ってうまく取り持ってほしい、頼んだよ」。

▲例文5“
请原谅他,他也是好心的。”は「彼を許してあげてください、彼だって善意でそうしたわけですから」。決して悪気があってしたわけではない、と仲裁するような言い方。

★“
好人做到底吧”/“帮人就帮到底吧
この項の最後に、人助けに関する慣用句を取り上げてみましょう。まず紹介するのは、相手から大いなる援助を求めるときの殺し文句——“
好人做到底吧”です。つまり、“要想做好人就做到底吧(善人になりたければ、最後まで善行を貫いて、とことん善人になりなさい)”というわけ。

次に、援助を渋ったり、更なる援助に難色を示したりする相手を口説き落とすのに、“
帮人就帮到底吧”という言い方もあります。「人助けするなら、とことん最後まで助けるべきだ」、つまり「中途半端な人助けはいけません」というわけです。なぜならば、援助の手を途中で引っ込めると、相手から不平不満を言われ、恨みを買う破目になるからです。“善始善终”、つまり「有終の美を飾る」にも通じる言い方ですね。

圧巻は“
做一件好事不难,难的是一辈子做好事(善い行いをひとつするのは難しくはない、難しいのは一生涯、善行を貫き通すことだ)”です。こうした言い方には、仁愛・隣人愛を根本とする道徳を説く儒教が色濃く投影していると思われ、中国的特色が感じられます。

(次回第65話に続く)