-中国語あれこれ
--鄭老師の漫談--
(61) 中国語会話 中級プレミアム・レッスン
【たしなめる表現Ⅱ】
你别跟我打马虎眼。/你别给我戴高帽儿。
とぼけて誤魔化そうなんて、よしなさい
/お世辞を言うのは、やめてちょうだい
では、前話に引き続いて、「たしなめる表現パート2」に入ります。

①「とぼけないで!」タイプ
1.你装什么糊涂。 
2.你少跟我装蒜。
3.你别跟我打马虎眼。
 


★語注;
装糊涂 zhuāng jú-tu;【動詞句】しらを切る/そらとぼける●装蒜 zhuāng-suàn;【動詞】知らないふりをする。ここの“什么”は相手の見え透いた言動に対する詰問・反発を表わす→「何をとぼけているのだ」●打马虎眼 dǎ mǎ-hu yǎn;【動詞句】 知らん顔をしてごまかす/さばを読む

★解説;
▲例文1“
你装什么糊涂。”は「しらばくれるのはやめなさい」。

▲例文2“
你少跟我装蒜。”は「とぼけるのもいい加減にしなさい」。

▲例文3“
你别跟我打马虎眼。”は「とぼけて誤魔化そうなんて、よしなさい」。“马虎 mǎ-hu;【形容詞】いい加減である”から派生した“打马虎眼”は「いい加減なことを言って相手の眼を眩ます」意味。スリスリ…

②「おだてないで!」タイプ
1.你别瞎捧我了。
2.你别给我戴高帽儿。
3.你少给我拍马屁。


★語注;
瞎 xiā;【副詞】やたらに/むやみに●捧 pěng;【動詞】おだてる●戴高帽儿 dài gāo-màor;【動詞句】 お世辞を言う/おべっかを使う●拍马屁 pāi mǎ-pì;【動詞句】 媚びへつらう

★語注;
▲例文1“
你别瞎捧我了。”は「私をやたらにおだてるのはよしてください」。

▲例文2“
你别给我戴高帽儿。”は「私にお世辞を言うのはよしてください」。“高帽儿”はたとえて言えば、調理師が被るあの背の高い帽子を想像するとよい。周囲を威圧するようなあの帽子は、自分の存在と技量を誇示するシンボルみたいなものです。そのような帽子を人に被せることは、つまりその人をおだてる意味になります

▲例文3“
你少给我拍马屁。”は「私をおだてるのもいい加減にしなさい」。
拍马屁”は、他人の所有する馬を褒めるときに、その馬の尻を叩きながら褒める仕草から生まれた言い方。

③「話す態度に気をつけて!」タイプ
1.你说话注意一点儿。
2.请你注意态度。
3.你说话放尊重点儿。
4.你严肃点儿。


★語注;
放尊重 fàng zūn-zhòng;【動詞句】言動面で相手に敬意を払うよう態度を改める/“放尊重点儿!(非礼を改めなさい)”。“”は15通り以上もの意味用法を兼ねる多用途タイプの常用動詞。ここでは「行き過ぎた言動・態度を直す」意味。“尊重”は結果補語●严肃 yán-sù;【形容詞】まじめな/真剣な
态=態 严=厳 肃=粛

★解説;
▲例文1“
你说话注意一点儿。”は「あなたは言葉を慎むようにしなさい」。▲例文2“请你注意态度。”は「あなたは態度に気をつけなさい」。▲例文3“你说话放尊重点儿。”は「相手に失礼な言い方を改めなさい」。

▲例文4“
你严肃点儿。”は「君は真面目にしたまえ」。不真面目な態度をたしなめる言い方。「形容詞+点儿!」“快点儿!/慢点儿!/安静点儿!”→命令文「早くしてください/ゆっくりやってください/静かにしてください」。
コラ~!
④「言い争いはやめて!」タイプ
1. 好了,你们都别争了。
2. 你少说两句,行吗?
3. 有理讲理,别骂人。
4. 你也用不着这样生气。
5. 你有话好好说,别伤了和气。


★解説;
▲例文1“
好了,你们都别争了。”は「もうよい、言い争いはやめなさい」。“争 zhēng;(口論する/言い争う)”。口論する渦中に分け入り、仲裁するときの言い方

▲例文2“
你少说两句,行吗?”は「ねえ、少し言葉を控えたらどうなの?」。摩擦と緊張を高める言い方を抑え、情況を緩和させる仲裁用語のひとつ。

▲例文3“
有理讲理,别骂人。”は「道理に叶っているなら、それを話すべきです。相手を罵るのはよくありません」。

▲例文4“
你也用不着这样生气。”は「あなたもそんなに怒る必要はありません」。

▲例文5“
你有话好好说,别伤了和气。”は「お互い気まずくなってはよくないです、言い分があるなら、ちゃんと言いなさい」。
ニンポウ ケムニマク…!
⑤ その他
1. 你的话太多了。
2. 你怎么从昨天说到现在?
3. 你这话跟没说一样。 
4. 你别让我再说第二遍。
5. 你还让我说几遍呢?
6. 你连句再见也不说吗?
7. 你别岔开话题。
8. 你少跟我打岔。
9. 你有话快说,卖什么关子。
10.你有话直说,别绕弯子。
11.你有话直说,不要阴阳怪气的。
12.话可不能这么说。
13.你别给我上课。


★語注;
岔开话题 chà kāi huà-tí;【動詞】話をそらす●绕弯子 rào wān-zi;【動詞】 遠まわしに言う/回りくどく言う●打岔 dǎ-chà;【動詞】人の話をさえぎる/話に水をさす/混ぜ返す●关子 guān-zi;【名詞】(会話の)重要なポイント/(劇などの)気をもませるような場面●阴阳怪气 yīn-yáng guài-qi;【形容詞】(言動が)奇妙きてれつである/相手を煙に巻くような
 
★解説;
▲例文1“
你的话太多了。”は「あなたの話は多すぎますよ」。

▲例文2“
你怎么从昨天说到现在?”は「昨日からずっと同じことをくどくどと私に話すのは、どういうつもりですか?」。

▲例文3“
你这话跟没说一样。”は「あなたのその言い草は、何も言わなかったのと同じですよ」。ちゃんとした答えになっていないとの不満げな言い方

▲例文4“
你别让我再说第二遍。”は「同じことを二度も言わせないでください」。

▲例文5“
你还让我说几遍呢?”は「いったい私に何度言わせる気ですか?」。

▲例文6“
你连句再见也不说吗?”は「サヨナラすらも言わないのですか」。最低限のエチケットすら無視するのですか、というたしなめ方。

▲例文7“
你别岔开话题。”は「話をそらさないでください」。

▲例文8“
你少跟我打岔。”は「人の話の腰を折るのもいい加減にしなさい」。

▲例文9“
你有话快说,卖什么关子。”は「話があるなら、早く言ってください。何を勿体ぶっているの?」。

▲例文10“
你有话直说,别绕弯子。”は「話があるなら、ズバッと話してください。回りくどい話はよしてちょうだい」。

▲例文11“
你有话直说,不要阴阳怪气的。”は「話があるなら、ズバッと話してください。人を煙に巻くような言い方はやめてちょうだい」。

▲例文12“
话可不能这么说。”は「そういう言い方はないですよ」。筋の通らない話だとたしなめる言い方。

▲例文13“
你别给我上课。”は「お説教がましい話はやめてちょうだい」。ここの“上课”は比喩的な言い方。「私に対して、まるで学校の先生が生徒に授業するような態度で話すのは、やめてください」という意味になっています。

このほかにも“
你为什么不早说?(なぜ早く言わなかったの?/なぜ今頃になって言うの?)”、“你以为我在开玩笑吗?(私が冗談で言っていると思いますか、これは本気の話なのですよ)”など関連フレーズは枚挙に暇がありません。

★学び易いが、使いにくい —— 「たしなめる言い方」
以上、たしなめる表現に関して、中国人同士が実際にやりとりするナマのセリフをありのままに並べてみました。ただ、これはあくまで、日本語の中の同類の言い回しと対比するための参考資料にでもなれば、との思いからであって、なんら他意はありません。

さて、たしなめる表現のフレーズも、こうして一堂に勢揃いすると、意外な点に気付かされます。語彙にしろ、構文にしろ、どれも初級レベルの短文が多い。既習の単語と構文を用いれば、簡単にこうした日常の表現ができるのに驚いた人も多いに違いありません。たしかにどれもシンプルな「動詞述語文」或いは「形容詞述語文」に過ぎません。あとは「反語文」(※第33話参照)さえしっかり習得すれば、それで間に合いそうなものです。

ただ、これらのフレーズの多くは、「命令文タイプ」に属し、中には刺激的な要素も含まれていますので、仮に相手をたしなめるのに使うにしても、適時適切に表現する必要があるのはもちろんです。そのためには、やはり中国人と実際に付き合ってみるのが一番です。さらには、中国人社会を実地に体験してみることです。それができれば、ベターだと思います。なぜならば、実際に住んでみないと、その社会や人間模様の本当のところは分からないことが多いからです。

ちなみに、“
国之交在于民相亲,民相亲在于心相通 /国と国との関係は、国民同士の親善友好いかんにかかっている。そして、国民同士の親善友好は、互いに心が通い合うかどうかによって決まる)”という格言があります。これと同時に、“正心才能正意;正意才能正行(心を正してこそ、考えを正すことができる。また、考えを正してこそ、行いを正すことができる)”とも言われます。

そうした基本スタンスに立ち、なおかつ相手国民の物の考え方・言い方をある程度把握しておけば、付き合いにしろ、話し合いにしろ、必ずや健全な、よい方向へ発展し、相互理解と友好親善の実を上げることができるに違いありません。

(次回第62話に続く)