-中国語あれこれ
--鄭老師の漫談--
(44)中国語会話 中級プレミアム・レッスン
自信・自慢の表現
我敢打保票。/有我在,就没有过不去的火焰山。

 ★中国人の物の言い方は明快で、聞く人に自信溢れる感じを与えるという声がよく聞かれます。果たして、そうなのか?例文を手掛かりにその辺を探って見ましょう。

1.我敢打保票。  私は自信を持って太鼓判を押します。

2.我相信自己的判断。  私は自分の判断を信じています。

3.我相信自己的选择。  私は自分の選択を信じています。

4.你们看我的,我一定能成功。
みなさん、私の行動にご注目あれ!きっと成功させて見せます。

5.我有信心有能力有决心做好这件事。
私にはこの事を立派にやり遂げる自信と能力と決意があります。

6.你不说,我也能猜个八九不离十。
そっちが言わなくても、大体の見当はついていますよ。

7.我不会犯这种低级的错误。私はそんなつまらないミスを犯す筈はありません。

8.有我在,就没有过不去的火焰山。
私が味方すれば、越えられない火焔山などはありません。

9.他的事儿我太知道了。私は彼の事は知り過ぎるほどよく知っています。

10.我的手艺已经能招待客人了。
私の料理の腕前はもうプロ級!お客を招いてご馳走することができるほどになりましたよ。

11.我接待的游客比你吃的花生米还多呢!
私が世話した観光客はそっちがいままで食べたピーナツの数よりも多いですよ。

12.我唯一的优点就是胆子大。私の唯一の長所は度胸がいいことです。

13. 这种事情我熟悉,我来完成。
この手の事はお任せください。その道に詳しいこの私が、やり遂げてみせます。

★語句注;&解説

例文1
敢 gǎn;助動詞リスクを恐れずに…する勇気がある●打保票 dǎ bǎo-piào ;連語保証書を出す/太鼓判を押す。“敢打保票”は、損失覚悟で相手に保証を与える勇気・強い心を持ち合わせているとのメッセージ。自信に溢れた態度だと相手に信用してもらう狙いがある。

例文2、3
相信 xiāng-xìn;動詞信じる/心の中に強く思い込む/疑うことなく正しいと思うこと●“我相信自己的判断/选择。Wǒ xiāng-xìn zì-jǐ de pàn-duàn/xuǎn-zé.”のメッセージは、自分の自主的な考えや態度が磐石であり揺らぐことはないと言明して、相手の信用を得ようとする狙いがある。

例文4
“看我的”は“看我的表现 kàn wǒ de biǎo-xiàn(私の行動を見てください。)”の略。

例文5
信心 xìn-xīn;名詞信念/自信●“有信心有能力有决心做好这件事”は、三つの動詞“有”と動詞“做”が長く連なった「連動文」。任務完遂のための自信・能力・決意が三拍子揃っている。いかにも自信に満ちた強い説得力を持つ言い回しですね。政府関係者や企業家などがよく口にします。

例文6
“我能猜个八九不离十”の直訳「私の予想は、十中八九、的中するはずですよ」と、自分の予測が高い確率で当ることを誇示している。

例文7
错误 cuò-wù;過ち日本語の「錯誤」と異なり、理論的、政治的な過ちを指すことが多く、意味がかなり深刻です●“我不会犯这种低级的错误”は政治家や行政官などが使う言葉。“低级的错误”は個人スキャンダルを指し、“高级的错误”は政治路線や政策レベルの高い次元の過ちを指す。収賄などスキャンダルで失脚する腐敗役人を目の当たりにして、「自分はそんなつまらない失敗はしない」との強気の弁が、この例文から聞こえて来るようですね。

例文8
“火焰山 Huǒ-yàn-shān”物語のメッセージは、「人間の不屈の精神力はどんな困難も克服できる」---「西遊記」のあの三蔵法師一行の行く手を阻む「火焔山」の炎の熱気と猛暑の中、牛魔王の妻・鉄扇公主の妖術をうち破って激戦を制した智勇兼備の孫悟空は、ついに鉄扇を煽って火焔山の猛火を消し止めた。苦難の連続に耐える三蔵法師のために天竺への道を切り拓いた孫悟空の大活躍物語から生まれた諺がこの例文。孫悟空の智勇と武芸にあやかり、我こそは「現代の孫悟空だ」と自負する中国人が好んで使う言葉です。豪気と自信に溢れた危機突破宣言といえましょう。

例文9●程度を示す副詞“
太 tài;あまりにも…だ”は誇張した口ぶりを示すものですが、この例文からは自信満々の荒い鼻息が聞こえて来ます。小兵ながら、侮れない役目を果たす“太”に敬礼したいですね。

例文11
游客 yóu-kè;名詞 観光客●花生米 huā-shēng-mǐ;名詞 ピーナツ●観光ガイドが自分の業績を誇示するのに、酒のつまみにピーナツをよく食べる知人を皮肉った名(?)ゼリフ。“吃”に纏わる話は卑近で分かり易いですね(第2話“吃鸭蛋”参照)。

例文12●“
唯一的优点 wéi-yī de yōu-diǎn (たった一つの長所)”と謙遜しながらも、その長所をしたたかに相手に売り込むところが中国流。

さて、以上の例文から見る限り、中国人の物の言い方は相当自信を帯びていると言えそうです。端的な例として、日本の官房長官と中国外務省のスポークスマンの話しぶりを比べると、そのような印象を持つ人は多いのではないでしょうか。
(次回に続く)