-中国語あれこれ
--鄭老師の漫談--
(30)中国語会話 初級=ワンポイント・レッスン
酒宴・パーティー (1)
我敬你一杯!祝你生日快乐!

①今天我请客,请光临。 今日は私のおごりです。どうぞ、いらしてください。

②欢迎,欢迎!热烈欢迎! ようこそ、いらっしゃいました!大歓迎です!

③中山先生!欢迎您的到来! 中山さま、ようこそ、お越しくださいました!

④----感谢你们的热情招待。 心温まるおもてなしに感謝いたしております。

⑤来,先满上。   さあ、まずはグラスをいっぱいにしましょう。

⑥我来给你倒。   私がお注ぎしましょう。

⑦我们大家一起干杯!   みんなで一緒に乾杯しましょう!

⑧来吧!朋友们,让我们共同干了这杯酒!  さあ、みなさん、一緒に乾杯しましょう!

⑨来,我们举杯,为我们的友谊干杯!

さあ、皆さん、盃を上げて、私たちの友情のために乾杯しましょう!

⑩为我们的合作顺利干杯!  私たちの提携・協力が順調に進みますよう、乾杯!

⑪为各位身体健康和幸福干杯!  皆さま方のご健康、ご幸福のために乾杯!

⑫我敬你一杯!祝你生日快乐!  一献、差し上げます。お誕生日おめでとうございます。

⑬----我回敬你一杯! 祝贺你走上工作岗位!
お返しに一献、差し上げます。ご就職おめでとうございます。

⑭咱们再干一杯!    みんなでもう一度、乾杯しましょう!

临=臨 热=熱 满=満 干=乾 谊=誼 为=為 让=譲 乐=楽 贺=賀 岗=崗

☆解説

▲例文③は「誰それ様のご到着!」と、周りの関係者に知らせるアナウンスメント効果も期待できます。幹事さんや接待係りに覚えて欲しい一言。
▲招待客が謝意を表す例文④に対して、主催者はよく謙遜して、
“薄酒素菜,不成敬意 bó-jiǔ sù-cài, bù chéng jìng-yì(ご覧のとおりのお粗末な酒食で、たいへん失礼いたしました)”とか、“我没有什么好招待你的,你可别见笑 wǒ méi yǒu shén-me hǎo zhāo-dài nǐ de,nǐ kě bié jiàn-xiào”(これといって、おもてなしできるものもありませんで、お恥ずかしい次第です)と応じる。
“干杯 gān bēi/干一杯 gān yì bēi”:文字通り、盃を傾けて、酒を全部飲み干すのが中国流。また、何のために乾杯するのか、乾杯の大義名分を明確に唱えるのも特徴的です。祝意・感謝・期待・願望・祈念などその宴席の場に相応しい文言を述べ合う。

☆語注

“光临 guāng lín”;動詞・ご来訪いただく/ご来臨を賜る(尊敬語)●“敬酒 jìng jiǔ”;動詞・酒宴において、相手の座席に出向き、盃を上げて敬意を表し、酒を勧めることを指す。そのうえ、さらに祝辞や感謝・期待・祈念などの言葉を述べるのを“祝酒 zhù jiǔ”という。●“我敬你一杯(酒)! wǒ jìng nǐ yì bēi (jiǔ)”;あなたに敬意を表してお酒をお勧めします/一献、差し上げます●“满上 mǎn shàng”動詞“满”+動詞“上”・いっぱいに満たす。動詞の後に置かれた方向動詞“上”は、ある動作の結果、一定数量や決めた目標に到達することを表す●“倒 dào”;動詞・注ぐ●“工作岗位 gōng-zuò gǎng-wèi”;名詞句・仕事の持ち場/ポスト

☆味な言い回し・表現

“真诚能感动上帝”。Zhēn-chéng néng gǎn-dòng shàng-dì
;至誠は天に通ず/真心は天地宇宙の神をも感動させることができるものだ。
☆語注●
上帝 shàng-dì ;名詞・天地宇宙の神/天帝

☆解説

人の行為は天理・正道に沿うべしとする「天─地─人」式の思考パターンは、古来、中国人に大きな影響を与えてきた宇宙観・自然観・人間観だとされる。日本でもよく聞かれる格言「人事を尽くして天命を待つ」=
“尽人事以听天命 jìn rén-shì yǐ tīng tiān-mìng”はその好例です──天地の間に生きる人間の成し得ることは天意の体現であり、天意の支配・影響を受けるが、その一方で逆に人間の意志・行為が天を感動させることもできる、とする「天人合一」思想がその根底にある。

自然・宇宙である「天」と、大「地」に住む「人」を一つの統一体と見なす「天人合一」思想。その流れを汲むのが、格言
“真诚能感动上帝”。自然界を主宰する「天」をも感動させるほどの「人」の至誠というものは、当然の事として「地」上の人々を感動させ、難事を成功・実現へと導くことができるはずだ、との見解。

これを人生訓として解釈すれば、次のように言えるのではないか─複雑な人間関係を適切に処理するに当たって、至誠は極めて重要な位置を占める。至誠、つまり純粋な真心は人間関係の調和・協和・親和・融和を阻むさまざまな要因----誤解、猜疑、嫉妬、警戒、嫌悪、遺恨、憎悪などの障碍を乗り越えて、当事者間の相互連動関係を好循環へと導き、物事を良い方向へ向かわせる。極めて純粋な真心─至誠にはそんな大きな力が秘められている。至誠とはいわば、人の持つ最高級の美徳であり、最大級の人間力だ、と。

さて、この
“真诚能感动上帝”と並び立つのが“苍天有眼 cāng-tiān yǒu yǎn”。冤罪を晴らしたときに中国人はよくこの言葉を口にする。すなわち、天の神は人間社会の動静を公平・公正な眼でよく見ている。したがって、「天」は「人」に対して公平・公正な扱いをするものだ。たとえ一時的に不公平、不公正な扱いを受けたとしても、挫けることなく至誠を貫き通せば、必ずや天の知るところとなり、不公平・不公正は「天」によって是正される。一方、邪悪を働く者に対しては、天罰が下る、というわけです。

なお、
“真诚能感动上帝”に類似したものに、“精诚所至,金石为开 jīng chéng suǒ zhì,jīn shí wéi kāi”≒「一念、岩をも通す」がある。つまり、「人」の一途な至誠に「天」が感動し、さらに「地」もそれに感応する。その結果、地上の硬い金属や岩でさえもが遂に裂開する、すなわち「人」の強い願いが困難を乗り越えて叶う、というわけです。

ちなみに、古代中国は戦国時代の典籍「列子」に収録された説話「
“愚公移山 yú-gōng yí shān”「愚公山を移す」物語にも、天帝が登場する──日常の通行や遠出の邪魔をする自宅前の大山を農具で掘り崩して道を造ろうと決意し、一家総出で土木道路建設に勤しむ山村の住人──愚公。その壮大にして困難な作業計画を知って心を動かされた天帝は、使いを遣して大山を運び去ったという。地上の不屈の老人愚公の至誠は天に通じ、願いが叶った、というわけである。

現代中国語の中にも、「天─地─人」式の思考パターンから生まれた単語・熟語や諺が少なくない。その一部を並べてみると、こんなにたくさん出てきました;

“天理”・“天道”・“天意”・“天命”・“天哪!”・“天公”・“天帝”・“天子”・“天缘”・“天人”・“天下”・“天上人间”・“天塌”・“天地”・“天赋”・“天网”・“天堂”・“天使”“天年”・“天坛”・“天仙”・“天灾”・“天诛”・“天罗地网”・“天崩地裂”・“天打雷霹”・“天长地久”・“天荒地老”・“天经地义”・“伤天害理”・“天高地厚”・“天怒人怨”・“天不绝人路”・“民以食为天”・“天晓得”“天知地知”・“人杰地灵”・“天从人愿”・“天不随人愿”“人有千算不如老天爷一算”・“人上有人,天外有天”・“人穷呼天”・“人间私语,天闻若雷”・“谋事在人,成事在天”・“听天由命”・“人非木石,孰能无情”・“人不为己,天诛地灭”・“天时不如地利,地利不如人和”・“天不怕,地不怕”などなど。
(次回に続く)