-中国語あれこれ
--鄭老師の漫談--
(23)中国語会話 初級=ワンポイント・レッスン
“你好”と「こんにちは」の異同

 中国語で一番よく聞かれる挨拶言葉といえば、“你好!”。そして“你好!”はいろんな語学入門書の中で、大抵「こんにちは」と訳される。では両者の意味用法は大雑把に言って、果たして同じなのかどうか調べてみましょう。

 まず「こんにちは」のほうは、「今日はご機嫌いかがですか?」の省略形だとされ、「機嫌」は「人の安否」を意味する。また「今日はお加減いかがですか?」の省略形とみることもできる。加減とは「体の調子」、「健康状態」を指している。こうしてみると、日本語の「こんにちは」は、もともと相手の安否または健康状態に対して、関心や気遣いを示す表現だといえる。

 では、
“你好!”のほうはどうか?まず、“好”の意味を探るために“你好吗?/お元気ですか?”の“好”をみると、「健康な/元気な」という意味がある。次に“你好!”はもともと“我祝愿你好/私はあなたのご健勝を願っています/祈っています”という意味であり、相手の健康への関心がはっきりと示されている。また“好”の意味は健康レベルに留まらず、“请替我向他问好/どうか彼によろしくお伝えください”の“问好=询问安好/安否を尋ねる”の“好=安好”のように、日常の「平安無事」な生活状態の意味までも含んでいる。そうなると、“你好!”は相手の健康状態のみならず、相手が平安無事に暮らしているのかどうかにも関心を示し、またそうなることを祈願する表現だと解釈できよう。こうしてみると、「こんにちは」も“你好!”も、ともに相手への関心と礼儀を示しており、人間同士の交際を円滑にする役目を担ってきたといえよう。

 ただ、「こんにちは ご機嫌如何ですか?」のほうは、「こんにちは」と短縮化され、肝心の述語部分の「ご機嫌いかがですか?」が省略され、姿を消しているので、本来の意味が希薄化して曖昧になっているのに対して、中国語の
“我祝愿你好!”のほうは、省略形の“你好”にまだ述語成分“好!が残っているので、意味はなお明確に保たれていると言えよう。また“你好”には変化形“您好!”の用法があり、“您”の意味によって、はっきりと相手に対する尊敬を表している。この点で、「こんにちは」とは異なる。

 また、「おやすみなさい」に対応する中国語に
“祝你晚安/あなたにとって今夜が平安であることを祈ります”があります。短縮形は“晚安”で、夜分に人と別れるときの挨拶言葉として使われている。こちらのほうは、どうも西洋の「グッドナイト」の翻訳バージョンだといわれる。

 初対面の中国人に
“你好!”“您好!”“你们好!”と挨拶するのが、付き合いの第一歩です。たしかに、社交場面における「万能潤滑油」みたいな“你好!”ではありますが、やや改まった場面で使うことが多く、親しい人同士ではあまり使われない。
 では最後にやさしい挨拶言葉をいくつか紹介しておきます。

1)你好! こんにちは!
2)你们好! みなさん、こんにちは!
3)大家好! 同上
4)你早! おはよう!
5)晚上好! こんばんは!
6)再见! さようなら。
7)明天见! 明日また会いましょう。
8)改天见! 今度また会いましょう。
9)回头见! あとでまた会いましょう。
10)祝你晚安! おやすみなさい。
11)东京见! 東京で会いましょう。

见=見 头=頭 东=東 愿=願 请=請 问=問 询=詢
                              (次回に続く)